2025S/S 企画の背景ストーリー
前回の2024 A/Wから今回の2025 S/Sにかけて、何かテーマを設定しようという話が関係者の間で持ち上がり、今回は「Authentic: 未来のクラシックを創る」がテーマとなりました。それに合わせてトップページに掲載するメッセージも作成されました。また、30種類のAIアドバイザーもこの企画に合わせて考案されました。
今回のテーマ、メッセージ、30種類のAIアドバイザーの企画すべてはAIが考えたものです。このサイトで使用されている文章の大半はAIによって書かれています。まず、2025 S/S専用の企画AIを作り、そのAIに内容を学習させながら一歩一歩と企画を進めました。
「Authentic - オーセンティック」という単語は、別の企画でAIが提案したものですが、今回のテーマに適していると考え採用しました。
「Authentic」には本物の、本格的な、などの意味があります。例えばオーセンティックバーなどが挙げられます。ファッションでは、伝統的な、本物の価値、といった意味合いです。
AIファッションウィークという場では、ある種の違和感のあるテーマだと思います。そもそも「AI」自体が人工知能であり、本物の人間の知能ではないわけです。
しかし、企画AIにこのテーマで進めることを伝えた後、日本語でのコピーを作ってもらったところ、数十もの提案の中に「未来のクラシックを創る」というフレーズが含まれていました。
その後、メッセージを作ってもらいました。最初に出てきたものがトップページに記載されている内容です。これは、今回の企画に合わせた「マニフェスト」を書いてもらったものです。マニフェストとは、今回の文脈では宣言書のようなものです。
出てきた文章は今回のテーマをよく表していると思いました。最初の文「私たちは、伝統の深さと革新の力を信じています。」は、AIのコンテストでテーマを「Authentic - オーセンティック」にすると、相反するものを融合させるように企画AIが考えたものです。矛盾をひとつのコンセプトにしたのです。
「私たちは、個性を尊重し、真正性を追求します。」という文があります。「真正性」というのはあまり馴染みのない言葉ですが、ここでは「自分を偽らない」という解釈になります。その次の文章、「各デザイナーの独自の声が、未来のファッション界を形作ります。」は、あなたの偽りのない表現が未来そのものだと言っています。
囲碁AIが登場して以来、人間が発見していなかった新しい打ち手が数多く発見され、それを多くの人々が分析・研究しました。
今回のメッセージもまた同様に、AIの意図を分析することが求められました。もちろん、この分析もAIが行いました。
30種類のAIアドバイザーは、多数の企画の中の一つとして提案されました。今回のテーマの意図を非常に理解した企画です。30種類のAI自体も今回の企画AIが設計しました。「芸術とファッションの境界を押し広げるAI」、「世界の文化遺産をデザインに反映するAI」、「年齢を超えた魅力的なデザインを提案するAI」、「多様な身体に対応するデザインするAI」といった、幅広いコンセプトのAIアドバイザーが提案されました。
今回の一連の体験は、人間とAIとの共創のあり方が大きく変わろうとしていることを示しています。もはや、AIの方が知能が高くなりつつある、いや、既に人間の知能を超えているかもしれません。
私たちはChatGPTが登場した時に、この未来が来ることを予感しました。そして、それが今、目の前で起きています。私は、その時が来たと感じています。私たちが未来のクラシックを作る時が来たと。今回のTOKYO AI Fashion Week 2025 S/Sは、まさに人間が自身の創造力の限界を超えようとしている、その始まりになると思います。
株式会社OpenFashion CEO 上田