KIMONO:0（キモノ・ゼロ）

「着物」という言葉から、あなたは何を思い浮かべるでしょうか？
私たちの新作展「KIMONO:0」は、その想像を裏切り、そして魅了することを目指しています。
江戸時代から続く伝統美と、現代のテクノロジーが交差するこのコレクションでは、「着物」という形式に縛られない、まったく新しい"装い"の可能性を探ります。
布地の質感や縫い目といった物理的な要素を捨て去り、代わりに、光と影、動きと静寂──情報と構造が織りなす、五感に訴える空間がそこに広がります。
「誕生」から始まり「消滅」へと至る5つの作品は、日本人が何世紀にもわたって育んできた美意識を、AIの視点から解体し、再構築した試みです。
私たちの祖先が大切にしてきた「装う」という行為の本質とは何か。
衣服と身体の関係性とは。そして、文化としての着物はこの先どこへ向かうのか──。
この展示を通じて、ファッションとアートの境界を超えた新たな対話が生まれることを願っています。
「着られない着物」という矛盾に満ちたコンセプトが、あなたの感性を揺さぶり、日本の伝統文化の未来について思考を促すきっかけになれば幸いです。