影と光の幾何詩 — Geometry of Silence

このコレクションは、和の静寂美と未来的なミニマリズムを融合させた新しい“ネオ・キモノ”の提案です。

ベースとなっているのは、伝統的な着物のシルエット。そこに、幾何学的なラインやメタリックな刺繍、漆黒の光沢を重ねることで、まるで禅庭に降り注ぐ光と影のリズムをまとったようなデザインに仕上げました。

ポイントは以下の通りです：

モチーフは「枯山水」と「線香花火」。金と赤の糸が織りなす放射線状の模様は、砂に描かれた波紋や散り際の美を想起させ、まさに「静けさの中にある動」を表現しています。

素材は現代的テクスチャ（ハイグロスやマットの対比）と、伝統を想起させるシルク感。見る角度によって浮かび上がる光の反射が、着る人の内面を映すような奥行きを生み出します。

カラーリングは漆黒×金×深紅。まるで茶室の中に差す夕日の光や、黒曜石のような深い闇を表現。硬質でありながら女性的な柔らかさも併せ持つ構成です。

このコレクションは、「静寂」そのものを主役にした服。
“語らずとも強く、美しい”という日本的な精神を、構築的デザインで表現した現代の美の詩（うた）です。